* メニュー [#u5ee0772]
#contents

* 概要 [#jf00968c]
PIC16F88を使用したモデムレスTNC。~
[[FoxDelta>http://www.foxdelta.com/]]よりKitとして入手できる。$27+$5(送料)

- FoxDigiのオリジナルはPICTNCです。
- PICTNCをアレンジしキット化したのがFoxDigiです。加工済ケースも付属しています。
- このコンテンツではオリジナルのPICTNCの資料を元に作成しました。~
FoxDigiでの内容(アレンジされている部分)はその旨注記してあります。

'''斜体になっている項目'''は未検証(未確認)です。

* 注意事項 [#o8de8a33]
- 扱えるパケット長は255文字までなので、APRS以外には使えないと思った方が良い。
- Conversモードへの移行コマンドに省略形のKコマンドが使えない。
- Digiとして使う場合、簡易デジではあるがUI-Digiとして最低限の機能を持つ。~
-- MYALIASにWIDE1-1を設定しておくと、きちんとMYCALLに置き換えてくれる。~
-- WIDEn-NのSSIDカウントダウンには対応していない。MYAにWIDE1-1と設定すると、~
WIDE1-2のパケットを拾ってもデジしない。
- 入力信号をコンパレータでゼロクロス検出してサンプリングしている。~
-- このため、高めの入力レベルが必要。ハンディ機では音量を半分以上に上げる。
-- FT-817NDのDATAポート接続の実験では、VX8のビーコンをデコードできなかった。~
→アンプ追加でOK

* 動作モード [#mf656bee]
動作モードは2つあり、一つはTrackerとして使うGPSモード、もう一つはデジピータとして使うCommandモードがある。

- PICの4ピンをGNDする(FoxDigi: GPS En = ON)とGPSモードとして動作する。
- TNC又はDigiとして使う場合はPICの4ピンはオープン(FoxDigi: GPS En = OFF)にする。

* PICTNCとFoxDigiの違い [#cd300961]
- FoxDigiには「PTT-IN」と「CARRIR DET」が無い
- FoxDigiにはGPS用電源に専用の7805が用意されている
- FoxDigiはシリアルポートの電源を切るSWが用意されている
- FoxDigiはジャンパーピンがDIP-SWに置き換えられている
- FoxDigiキットには穴開け加工済みケースが付属している

* DIP-SWの設定と機能(FoxDigiの場合) [#ib5ae575]
- SW1
--GPS En~
GPSを繋いでTrackerとして使う場合にONにする
--U3 En~
シリアルポートドライバICの電源で、GPSを繋ぐ時とPCを繋ぐ時はONにする。~
設定が完了してDigiとして使うときはOFFにしておくと消費電力を削減できる。~
太陽電池等で独立デジを稼働させる時に使う事を想定している。

- SW2
--GPS PWR~
GPSに5V電源を供給するときはONにする。(DB9の4ピン)
--MIC PTT~
ハンディ機(KENWOOD除く)に繋ぐ時はONにする。~
常時ONのままでも特に問題無いです。

* 設定コマンド [#j6bbf4f1]

- HyperTerminalやTeraTermProを4800bpsで起動する。(クロスケーブル接続)~
- 4ピンをオープン(GPS En = OFF)としてCommandモードで起動させる。

- コマンドのパラメータ入力について
-- パラメータを指定しないと、パラメータが消去される。
-- コマンドは大文字でも小文字でも通るが、大文字でしか通らない場合もある。

** 共通 [#l9fc0946]

オープニングメッセージ
 WB8WGA Modemless TNC V1.08 Type "Help" for Information
 cmd:


ヘルプ表示
 WB8WGA Modemless TNC V1.08 Type "Help" for Information
 cmd: HELP
 
 Command are Case Insensitive
 Use Backspase Key (BS) for correction
 Use the DISP command to display all options
 Insert jumper J4 and connect GPS for APRS operation
 Remove jumper J4 and connect to Terminal for Command Interpreter 
 
 Command (with example)
 MYCALL (MYCALL wb8wga-8)
 UNPROTO (unproto wb8wga-14 v wb8wga-1) - 3 digits max
   途中省略
 OK
 cmd:


DISP(設定状態表示)
 cmd: DISP
 ECHO ON
 TXD 64
 GPS $GPGGA
 TRACE OFF
 MONITOR ALL
 DIGIpeater ON
 BEACON On EVERY 10
 UNPROTO APRS V WIDE1-1 V WIDE2-1
 MYCALL JQ1BWT-3
 MYALIAS WIDE1-1
 BTEXT !3534.69N/13929.86E#Fill-in Digi Machida
 
 OK
 cmd:


MYCALLの設定
 WB8WGA Modemless TNC V1.08 Type "Help" for Information
 cmd: MYCALL JQ1BWT-3
 OK
 
 ※パラメータを指定しないと内容が消える(他のコマンドも同じ)

TXDelayの設定
 cmd: TXDELAY 64
 
 1単位で6msになる。
 64を入力すると6×64=386ms。通常はこれくらいでOK。
 古いRIGの場合は500ms位にした方が良い場合がある。6x83=498ms


設定保存
 cmd: PERM
 OK
 
 設定を完了したら、必ずPERMコマンドを打つ。
 これでEEPROMに保存される。(やらないと覚えてくれない)

CONVERSモード
 cmd: convers
 
 会話モードになる。
 この後は入力した文字列がそのままUIフレームとして送信される。
 抜けるにはCtrl-Cを送信する。

CALIBRATEモード
 詳細不明

** デジとして使う場合 [#q69d1491]

MYALIASの設定
 cmd: MYALIAS WIDE1-1
 OK

デジピータを有効化
 cmd: DIGI ON
 OK


UNPROTOの設定(デジパス)
 cmd: UNPROTO APRS V WIDE1-1 V WIDE2-1
 
 デジパスはVで区切り、最大3段まで指定可能。
 固定局ではV WIDE2-1のみで良い。IGATEまで直接届く場合はデジ指定は不要。
 

ビーコンテキストの設定(マニュアルで緯度経度を入力)
 cmd: BTEXT !3534.69N/13929.86E#Fill-in Digi Machida by PICTNC
 OK
 
 緯度経度は!で始まり#で終わる。小数点以下の設定に注意。
 3534.69Nは、35度34.69分のことである。.69は秒ではない。
 入力できる文字数は最大で100字まで。
緯度経度の計算方法の詳細は[[こちら>http://www.bwt.jp/wiki/index.php?%BC%AB%B6%C9%B0%CC%C3%D6%A4%CE%C0%DF%C4%EA%CA%FD%CB%A1%28UI-View32%29]]。


ビーコン周期の設定
 cmd: BEACON EVERY 10
 OK
 
 単位は分。(例では10分置きにビーコンが出る)
 0でビーコン停止。


** Trackerとして使う場合 [#o2a73756]

GPSセンテンスの設定
 cmd: GPS $GPGGA
 
 有効なNMEAセンテンスは、$GPGGA、$GPRMC、$GPGLL
 
 $GPGGA:標高は含むが、進行方向と速度は含まない。(固定向き)
 $GPRMC:進行方向と速度の情報を含む。標高は含まない。(移動向き)


UNPROTOの設定(デジパス)
 cmd: UNPROTO APRS V WIDE1-1 V WIDE2-1
 OK
 
 New WIDEn-N Paradigmでは、このデジパス指定で問題ない。


ビーコン周期の設定
 cmd: BEACON EVERY 2
 OK
 
 単位は分。
 移動局では1〜3分周期が推奨値。
 高速移動では1分も可。
 間を取って2分が使いやすいと思う。


ビーコンテキストの設定
 初期位置を「!緯度/経度#」で設定しておく。
 GPSが有効になるとこの位置情報は送出されず、$GPRMC等の生センテンスが送信される。
 JQ1BWT-13>APRS,WIDE2-1,NOGATE [17-Jun-09  22:38:07]:
 $GPRMC,133937.000,V,3534.6481,N,13929.8549,E,000.0,000.0,170609,,,N*79



* まとめ [#k45f559d]

** デジとして動かす場合 [#lff2b635]
J4をオープンにする。(FoxDigi: SW1 GPS En = OFF)
さらに、FoxDigiでPCレスの場合は、SERIAL En = OFFも設定する。

 ECHO ON
 TXD 64
 GPS $GPGGA
 TR OFF
 MON ALL
 DIGI ON
 BEACON EVERY 30
 UNPROTO APRS V WIDE2-1
 MYCALL JQ1BWT-3
 MYALIAS WIDE1-1
 BTEXT !3534.69N/13929.86E#Fill-in Digi Machida - Powered by PICTNC
 
 GPSを繋がないDIGIとして稼動させるときは、BTEXTに位置情報を書いておく。
 これにより、BEACON EVERY nで設定した周期で位置情報が送信されることになる。
 
 移動デジに使うときは、現地でGPSモードで普通の位置情報ビーコンを出しておいてから
 DIGIモードに切り替えると良いだろう。
 
 Tracker/移動Digi 共通の例
 BTEXT W1, Fill-in Mobile Digi by PICTNC
 
 GPSを繋ぎっぱなしで、Tracker/Digiを切り替えて使うときは、DigiモードではGPSを
 OFFにしておいた方が良い。個別にOFFするスイッチが無い場合は(FOXDIGIの内部SWで
 切れるが、開けないと切り替えできない)、SERIAL OFFにしておけばGPSデータを無視
 してくれる。DIGIモードでGPSからデータが来ると、PICTNCはエラー処理で忙しくなって
 しまう。


** トラッカーとして動かす場合(車載用) [#b382fd60]
J4をクローズにする。(FoxDigi: SW1 GPS En = ON)

 ECHO ON
 TXD 64
 GPS $GPRMC
 TR OFF
 MON ALL
 DIGI OFF
 BEACON On EVERY 2
 UNPROTO APRS V WIDE1-1 V WIDE2-1
 MYCALL JQ1BWT-9
 MYALIAS %
 BTEXT
 
 DIGI ONにしておくと、TrackerとDigiの両機能が同時に動く。
 移動(仮設)デジに使える。
 ただし、この場合はビーコンインターバルに注意。Trackerとして2分等の短周期
 設定になっていると、移動しない場合では輻輳の元になるだけだから。
 PICTNCにはSmartBEACONの機能は無い。(TT4はある)
 
 位置ビーコンはNMEAセンテンスの生データがそのまま送信される。
 BTEXTに設定した文字列は送信されない。(数回に一度は出して欲しいな)
 
 ''VX8では生NMEAを受信しても認識してくれない。''
 UI-Viewでは認識する。

* FoxDigi組み立てのTips [#w5cf2f59]
- 実装図~
#ref(FoxDigi_MOUNT.pdf);
- 一部の部品は裏に付ける。
-- SW1, D1, LED(TxとRx)
---D1は裏指定されていないが、ケースに組み込む時に金属支柱に干渉します。~
結構ギリギリなので、ハンダランドと支柱が触れていないか確認しましょう。~
電源投入前に、電源入力とGND間の抵抗値を測っておくと良いです。
-- LEDは1〜2mm浮かせて付ける。1mmでツライチ位になる。少し飛びださせた方が良い。
- POTは裏面に
-- ケースに組み込んだとき、変調度調整が楽になる。
- 7805は基板に密着させて、ネジ止めする
-- 足の太さが変わるところで曲げるとぴったり合う。
-- この状態で基板に密着させてビス&ナットでネジ止めした方が良い。
--GPSに5V200mA程度を供給すると2W弱の発熱が起きる。かなり熱くなる。
- ケースに組み込む時(ケースのネジ穴と基板のネジ穴がずれているので注意)
-- 支柱は、「ネジ〜ケース〜ワッシャ〜支柱」の順で組む。~
「ネジ〜ケース〜支柱〜ワッシャ」の方がショートの危険性は減るかも。~
【注意】電源入れたままケースに入れようとして、支柱とD1のアノードが触れてパターンを燃やしました。
-- 基板を取り付ける前に支柱は固定しない。ネジはゆるゆるにしておく。
-- 支柱を仮止め後、基板を仮止めし、8本のネジをを少しずつ締めていく。
- ケース裏面には足をつけよう。
-- 足をつけないと、支柱を止めるネジでRIGの上に乗せたときに傷だらけになります。
-- 100均の丸いスポンジ性の滑りどめが良い。~
手持ちが切れたので滑りどめシート(網のやつ)を、厚手の両面テープで貼った。
- その他
-- あの匂いはお香でしょう。アジアの匂い。(懐かしさを感じました)

* 改造 [#xc4e2aed]
&ref(foxdigi_mod_fig.jpg);
拡大写真は一番下の添付ファイル一覧にあります。

モデムレスTNCなので、入力レベルは結構高めである必要がある。~
FT-8x7シリーズのDATAポートからの信号ではデコード出来なかった。~
特にVX8の送信変調度は低めみたいで、TNC-220の濃いめ変調はデコード出来ても、~
VX8からのパケットはデコードできない場合があった。

- トランジスタ1個の約10dBアンプを追加

&ref(foxdigi-amp.gif,nolink);

-- FT-817のDATAポート接続でデコードOKになった。(S5〜7から)
-- VX8のパケット(1200bpsは変調が低め)もOK。
-- PICの信号入力波形もきれい。
-- PICTNCは入力レベルが大きいとデコード率が上がるわけで無いのを経験。

- D/A出力(2^n抵抗重畳)に0.047μF(対GND)追加
-- FoxDigiにはLPFが付いていなかった。
-- 0.1μFだと波形はほぼ完全な正弦波になるが、2200Hzレベルが落ちる。

* 関連サイト [#dba62f0f]
- http://www.kh-gps.de/minitnc.htm
- http://www.foxdelta.com/products/foxdigi.htm

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