メタバースにおける楽曲著作権の扱い
はじめに †
最初に一言
1年で1,200円です!
月額たったの100円。
JASRACがメタバース内で使用される楽曲の著作権の扱いについて明言がありました。
https://www.jasrac.or.jp/news/22/221226.html
したがって、今後メタバース内での音楽活動に関してJASRACがの目が厳しく入っていることが予想されます。
国内ではJASRACとNextoneの2社がほぼすべての国内の楽曲を管理しています。
インディーズの多くは管理委託していない人たちもいますので、その場合は個別に権利者との許諾契約になります。
ここではVRChat内でJASRAC管理楽曲を「ストリートライブ」や「イベントでライブ演奏」をするような事例にて、JASRACから正しく権利許諾を取得する方法についてまとめていきます。
なお、この情報はまだ検証まで完了していませんので、集めた情報を整理したものだということをご理解ください。
掲載内容は随時更新していきます。
包括契約をしているサービス事業者はたくさんあります †
既にJASRACやNextoneと包括契約を締結しており、そのサービス内で楽曲演奏(歌唱)を行う場合は何もしなくて良い例があります。
いくつかの有名どこを挙げておきます。詳細はJASRACやNextoneのWebにリストがあるので確認してください。
- YouTube
- Facebook
- Instagram
- Twicas
- Twitch
- 17LIVE
- Pococha
- showroom
- LINE
- TikTok
JASRACが包括契約をしている事業者リストはこちら
https://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html
VRChatは包括契約がされていません †
残念ながら2023/4/1現在、VRChatはJASRACとの契約は無いようです。おそらくNextoneとも契約がないと思います。
どうしたら良いか †
個人でJASRACと楽曲使用の包括契約を行います。
契約はそんなに難しくなく、しかも年間1,200円(税別)で契約することが可能です。1ヶ月あたり100円です。
条件はあるか? †
いくつかの条件があります。
- 日本国内のサーバから配信されていること(日本サーバでInstansを立てて行う)
- JASRACとの契約であればJASRAC管理楽曲のみ有効
Nextoneや外国曲の場合は、それぞれの権利団体または権利者との許諾契約になります
- サービスごとの許諾になる(ここではVRChatのみ)
- 演奏(歌唱)するだけなら、「音声」が許諾対象となる
歌詞、楽譜も権利対象ですが、基本的にそれを見せるわけでないので「音声」契約で良いです
種類分けに関して †
- 非商用配信
- 動画配信(アバターが演奏している映像と、演奏楽曲の配信が行われるため)
- ビデオグラム録画は対象外(手続きSKIP)
- インタラクティブ配信
- 同時送信可能化曲数:1曲
個人が一人で演るものなので、1曲づつしか演奏できないから
※逆に業者のサービスとする場合の包括契約では、ログインしている人たちが同時にあっちこっちで演奏するので1曲では無くなる
- ストリーミング形式(ダウンロード形式ではない)
ダウンロード形式とはオフラインでも視聴できるように視聴者の手元にファイルを保存させるようなサービスの事です
ここではYouTube Liveの生放送と同じなのでストリーミング形式。
申請先 †
https://www.jasrac.or.jp/info/network/nbusiness/
JASRACと契約すると何ができるようになるのか †
- VRChat内でJASRAC管理楽曲を演奏するのは、何曲演奏しても年間1,200円のみです
- 権利者(アーティスト)に対して楽曲使用料が分配される
申請手順 †
申請の流れをざっくり †
- Webから申請を行う
- Web入力したものがPDFでダウンロードできるように出てくるので、印刷して捺印して郵送する
- 許諾番号が記載された包括契約許諾書がメールで送付されてくる(トータルで2週間位)
「Webに掲載しておく」となっているけどできないので、アカウントのBIOにでも記載しておけば良いかと
- 使用料の支払い
「音楽著作物利用許諾書」と「払込票」が郵送されてくる
具体的な手順 †
- 申請ページを開く
https://www.jasrac.or.jp/info/network/nbusiness/
- STEP2のインタラクティブ配信の手続きページを開く
手続きはこちら(非商用配信)をクリック
- STEP1にあるJ-TACT(オンラインによる申請)で申請書を作成
・個人
・収入区分は全部「ない」
・配信区分は「ストリーム形式」
・報告可否区分は「不可能」 ←ダウンロード配信のときに必要となる項目です
・確認事項は全部「いいえ」
- 申込人登録のページへ進んで入力する
- 許諾申込内容登録で項目を入力する
・ホームページ名「VRChat」で音声にチェック
・トッププページURL「https://vrchat.com/home」
・ハンドル名「さわでぃ」 ←自分のVRChatネームを書いてね
・配信形式「ストリーム形式」
・同時利用曲数「1曲まで」
・収入区分「情報料収入も広告料収入もない」
・確認画面の後、最終入力画面になります
ここで、代表曲を1曲登録します。事前に管理番号、曲名、アーティスト名、作詞者、作曲者を調べておきましょう。
・入力がすべて終わると申請書の印刷になります。
ここではプリンターに直接出すのではなく、PDFで保存しておくとよいでしょう。
・プリントしたら印鑑を押して、封筒に入れてJASRACに郵送します(紙の世界です!)
・しばらくすると(概ね2週間後)登録したメールアドレスに許諾番号や支払い先の連絡が来ます
運用 †
- 使用した楽曲の記録
- 期間内に使用した曲のリストを、期間満了後に提出
- この情報により権利者に楽曲使用料が分配される仕組み
- そのときになると提出の催促が来る
- Excelとかで月日と曲目を記録しておいて集計できるようにしておくと良いと思う
提出方法はWebでCSV形式のデータ送信みたいです(Excelの雛形がある)
- 毎回記録しておくのは面倒だけど、演らせて頂いている権利者のアーティストに分配するためなので仕方ないと思うよ
FAQ †
- VRChat内で行っているライブの様子をYoutube Liveに生中継したらどうなるのか?
条件に寄ると思う。JASRACに許諾されている本人が演奏しているものを本人がYoutube Liveに流すのは大丈夫だと思う。
配信を別の人にやってもらうと著作隣接権が発生するのでめんどくさくなるでしょう。
- 逆に、Youtube Liveで生放送しているものをVRChat内の動画プレーヤーで流したらどうなるのか?
前項の逆なので基本は同じかと。
- VRChatで有料ライブを行ったら?(今の所めったに見かけません)
「収入あり配信」になるので契約が変わる(最低料金ありで収入の何%を払うことになる)
- オケにCDやダウンロード配信の音源素材を使用したらどうなる?
使用できません。これらは著作隣接権として音源を作成した人(具体的にはレーベル:AvexやSony Musicなど)に権利があります。
ここで契約したものの他、レーベルとの使用契約が別途必要になります。
- 伴奏をMIDI打ち込みで行った場合は?
生演奏と同じ扱いです。現実世界のバンドにもマニピュレーターというパートが存在します。
- 訴訟になった前例は?
私が知っている範囲では2022年以降で既に2例あります
- 安全な演奏の仕方は?
- 完全弾き語りまたはフルバンド演奏(これなら何の心配もないです)
- オケを使う場合は、そのオケも自分で作って用意したものであること(DAW上でMIDI打ち込みや多重録音で作る)
- 誰かが作った(演奏した)オケを使わせていただく時は、そのオケの制作者に許諾を得ること(著作隣接権の関係)
関連FAQ †
- Twitterのショート動画を上げる事にも使えますか?
Twitterは包括契約が無いのでJASRACと契約が必要です。しかも同時演奏数が1曲にならないため複数曲の同時演奏という扱いになるようです。
例えばA曲とB曲をTweetしたとします。生配信なら順番に1曲ずつ演奏する事しかできませんが、Twitter投稿では過去に投降した曲も再生できます。
これによりA曲を聴いているXさんとB曲を聴いているYさんが同時発生することがありえます。この場合2曲同時演奏になるようです。
おそらく10曲以上という枠組みになり、年間契約費用は爆上がりします。(それでもやりたい人はJASRACに要確認)
※ストリーム配信は同時10曲演奏まで定義されていて10,000円/年です。10曲以上は定義されていないのでこれが天井と解釈できそうです。(いずれにしても要確認)
回避策として、Youtubeは包括契約されているのでYoutubeに演奏をUpし、そのURLをTwitterに貼るのが楽でしょう。
- ここに書いてあるVRChatのJASRAC契約をしました。Twitter等の他のサービスでもそれが有効ですか?
サービス毎の契約になるので、VRChatで1契約、Twitterで1契約と別々になるようです。