Reaperとは

特にWindows用では有名なDAW(Digital Audio Workstation)です。
すなわち、デジタルオーディオ編集の為のソフトウエア。

市販のDAWでは、SONARやCubaseが有名です。 MacOSに付属しているBarage BandもDAWです。

このドキュメントの目的

WindowsでVSTiプラグインを使って音を出すには、とりあえずminihostというVSTホストアプリケーションを使えば可能です。
しかし、minihostは次の問題(制約)があります。

2つの異なる音を同時に再生できないのはWindowsの制限です。

ここではDAWを使用して、トラック1に音楽(オケ)を、トラック2にMIDI入力のソフトウエアシンセサイザーを配置し、オケに合わせて自分でMIDI楽器で演奏する事を目的としたセットアップを紹介します。
ウインドシンセに特化した内容になっていますので、その他の機材を使用する場合は読み替えてください。

機材構成

※VAIO TTの場合はUSB-AUDIO無しでもASIOが使用でき、遅延も感じられなかったです。

使用できるPCのスペック

Vista時代のデュアルコアCPUのPCであれば大丈夫ですが、DRAMは4GB必須と考えてください。HDDでは無く、メモリー(DRAM)です。
たとえばATOM CPUの2GBメモリーでは動作がギリギリで時折音が止る現象が起きます。
XpのPCがあれば、Xpの方がメモリーも食わず軽く動作するようです。しかし、シングルコアだと厳しい感じみたいです。

Core2 DUOが発売になったのは2006年7月、Windows Vistaが同11月ですので、そのころ以降に生産させたPCなら概ね大丈夫だと思います。ただし、しつこいようですがDRAMは4GB積んでください。2GBまでしか積めないプラットフォームもあるので注意が必要です。
4GB積めるCPUが乗ったVAIO TTの発売は2008年です。

1. ASIO4ALLのインストール

Windowsのサウンド系は遅延が大きく、そのままでは生演奏に使用できません。これはVistaからの仕様なのでどうにもなりません。
そこで、ASIOドライバを使用して、サウンドチップとの間にカーネルが介在しないようにします。このASIOドライバに対応しているサウンドチップかどうかがポイントになります。
このASOI4ALLは、Windows標準のWDMに対応しているサウンドチップに介在し、ASIO準拠に変換するモノと考えれば良いです。これにより、ASIOドライバが付属していないサウンドチップでもASIOが使用できるようになります。

ASIO準拠アプリ→(ASIO)ASIO4ALL(WDM)→WDMサウンドチップ→出力

ASIO対応のUSB-AUDIOインタフェースを使用した場合は、既にASIOドライバがインストールされている場合があります。そのときはこのASIO4ALLは不要です。
例えばRoland UA-1Gは専用ドライバにASIO 2.0が含まれています。

ASIOのダウンロードとインストール

ASIO4ALLは汎用ASIOドライバとして有名なフリーソフトウエアです。
こちらからダウンロードします→ http://www.asio4all.com

asio4all_download.JPG

イギリス国旗の「ASIO4ALL 2.xx - English」をダウンロードします。
ダウンロードしたら解凍して、インストールします。

ASIO4ALLの設定は、ASIO4ALLを使うソフトから行います。

2. IFWのダウンロードとインストール

IFWはウインドシンセに特化したソフトウエアシンセサイザー音源です。
アナログシンセを模した構造で、サンプリングやPCM型式の音源では得られない音色が得られます。
設計的にはEWI3020mを狙っているようで、甘めのフィルタースカート特性等、当時のサウンドを再現させるべく作り込みになっているようです。
IFWはVSTiプラグインとして提供されています。

IFWの入手先は限定されています。
FacebookまたはmixiにIFWのグループがあるので、そこに入会してから入手することになっています。入会はすぐに承認されます。
また、2次配布は禁止されていますので、どちらかのSNSに入って自分で入手する必要があります。

入手したら解凍し、「ドキュメント」の直下に入れておきます。この場所が後で重要になります。IFWフォルダごとドキュメントに配置します。次のようになるはずです。

このうちmacフォルダはMacOS用なので不要です。削除してもかまいません。

IFWのsoundsフォルダの位置は重要です。
IFWから音色パラメータリストを選択する時に、パラメータファイルをこの場所に置いておかないとsoundsフォルダに入っているファイルリストが出てこなくなります。
この指定を守ることは強く推奨します。

3. Reaperのダウンロードとインストール

Reaperはいろいろなサイトを見てみると、v0.999を勧めている例が殆どです。
しかし、v0.999はXpまででしか正常に動かないようです。特にMIDI信号の取り込みに問題があるようでまともに動かせませんでした。
ここでは有料版のv4.xxxを使用します。
v4.xxxは有料ですが、非営利の場合は$60と安価です。また、まだ未確認ですが、トライアル期間が終了しても、同様にダイアローグが数秒間出るだけで機能はそのまま全て使えるようですから、じっくり試すことができるようです。

ダウンロードページ→ http://www.reaper.fm/download.php

reaper_download2.JPG

使用しているWindowsのバージョン(64bitか32bitか)を確認してダウンロードします。
解らなければ32bitで動かします。64bit OSでも32bit版は基本的に動きます。
※コントロールパネルのシステムを開けばどちらかが解ります。

ダウンロードしたら、そのまま実行してインストールします。

4. Reaperのセットアップ

Reaper起動の前に

以上を確認したら、Reaperを起動してください。

初期設定

Audio Deviceの指定

Options>Preferences>Audio>Device
reaper_setup1.JPG

スクショの通り、各項目を設定します。
first/lastの所に接続したUSB-AUDIOの名前が出るはずですが、出てこないまたは選択できない場合は、ASIO Configuration...をクリックして、ASIOドライバの設定を行ってください。

ASIO Driverの設定

reaper_setup2.JPG

ASIO Configurationを開くと、この画面が出ます。この画面がASIO4ALLの設定画面です。
PC内蔵サウンドチップ(例えばRealtek HD Audio)が選択されていると思うので、接続したUSB-AUDIO(例えばSoung Blaster X-Fi Go! Pro)を指定します。
これはASIO4ALLがどのサウンドデバイスを対象とするかを指定していることになります。

ここでASIO4ALLの動作を簡単に説明しておきます。
ASIO4ALLはWindows PCのサウンドデバイスのアクセス仕様(API)であるWDMと、DAWソフトウエアの接続先デバイスであるASIOを中継ぎする機能をしています。乱暴な言い方をすれば、フォンとXLRの変換プラグみたいなモノです(本当は違うが、その程度の理解でOK)。
出力系で言うと、DAWでミックスされたメイントラックの音声がASIOに吐き出され、ASIO4ALLが受け取って、それをWDMに仕様変換をして投げる動作になります。
ここでの設定は、ASIO4ALLが最後に投げる先を指定していることになります。内蔵サウンドチップなのか、外付けのUSB-AUDIOなのか、どっちに投げるかを指定します。
ここを間違うと、USB-AUDIOから音を出したいのにPC本体から音が出てしまうような事が起きます。
また、このときはWindowsが握っているルートとDAW(Reaper)が握っているルートの2つができるため、PC本体の音量調整(タスクバーのスピーカーアイコン)は効かなくなります。
しかし、本体音量を0にするとALL MUTEになるので外付けも音が出なくなるので注意してください。

下に行くほど、サウンドクオリティが高く遅延も小さくなります。
これからUSB-Audioデバイスを購入する場合は、ROLAND等のASIO対応と書いてある製品がお勧めです。
この場合はASIO4ALLの代わりに付属の専用ドライバをインストールして使います。
私はROLANDのUA-1Gを使っています。(Music Creater 5のセット品)

MIDI Devicesの設定

Options>Preferences>Audio>MIDI Devices
reaper_setup3.JPG

接続しているUSB-MIDIの名前(例えばUM-ONE)がEnableになっていることを確認します。もし、Disableになっていた場合は、Device名(例えばUM-ONE)をダブルクリックしてプロパティを開き、2つあるチェックボックスを両方とも有効にします。
OKすると、MIDI InputsがEnabledになります。

Configure MIDI Input
reaper_setup4.JPG

IFWをVSTi Plug-inとして登録する

Options>Preferences>Plug-ins>VST
reaper_setup5.JPG

Add...をクリックして、IFWを配置したフォルダ(マイドキュメントのIFW)を指定する。
続いて、Clear cache/re-scanをクリックしてファイルを読み込ませる。

ここまでで下準備が完了しました。
この先は実際にトラックを作って、実際の構成を組んでいきます。

5. Reaperにトラックを作って音を出すまで

新規トラックを作る(トラック1=オケ用)

Track>Insert new trackを実行すると、新しいトラックができる。
その右のタイムラインにWAVファイルをドロップするとオケがインポートされる。
WAVファイルはインポート後も他のフォルダへ移動しないこと。Reaperはインポートしたファイルの位置を覚えているだけです。
reaper_setup6.JPG

WAVファイルがインポートされるとこうなります。
reaper_setup7.JPG

ここでPlayボタンをクリックすると音楽が再生されるはずです。
USB-AUDIOから音が出ていればOK。

新規トラックを作る(トラック2=IFW用)

Track>Insert new trackを実行すると、トラック1の下に新しいトラックができる。
reaper_setup8.JPG

この画面が出ればIFWのインポートは成功。
reaper_setup10.JPG
BROWSをクリックすると音色リストが出ます。これが、先にドキュメントに配置したファイル群とリンクしています。
とりあえず、例にならってOmens Of Loveあたりを選択しておきましょうか。

他は後でセットアップしますので、右上の×でいったん閉じてメイン画面に戻ります。

reaper_setup11.JPG
このままではEWIを吹いても鳴りませんので、トラック2の設定を続けます。

ここまでで、EWIを吹くと音が出るはずです。
そして、Playボタンをクリックするとオケが演奏されます。

Recボタンを使えば、EWIで演奏したMIDIデータが記録されます。

トラック2にエフェクトを追加する

VSTプラグインをインサートすることで、各トラックに豊富なエフェクトをつなげられます。
たとえはディレイとリバーブを掛けたいことは良くあるでしょう。

reaper_setup12.JPG

Track2のFXをクリックして、IFWをインポートした時のFX設定画面を出します。
続いてAddをクリックして好みのエフェクトを追加します。
例えば、VST>VST:ReaDelay(Cockos)でディレイを追加。
同様に好きなだけエフェクトを繋げられます。上から順に、楽器→エフェクト1→エフェクト2という感じで、コンパクトエフェクターを数珠繋ぎしていくのと同じ動きになります。
同じ名前のエフェクトを複数繋ぐことも出来ます。例えば、ショートディレイとロングディレイを2段繋ぎにしたい場合。このときは、ReaDekayを追加して調整し、さらに下にReaDelayを追加して調整します。何段でもいけます。
Rea〜で始まるVSTがReaper付属のエフェクターになります。使い勝手が良い感じなのは、ReaDelay(ディレイ)とReaVerb(リバーブ)でした。
あまりたくさん使うと音の遅延が発生したり、CPU負荷が重くなるので注意しましょう。

あとは各エフェクトを細かく調整して好みの音に仕上げます。
リストの左のチェックボックスをON/OFFするとエフェクターをON/OFFできるので、1つづつ調整して有効にしていって、最後に全部をONにして微調整するのが良いと思います。
各項目の調整方法の詳細は省略します。適当にいじれば解るはず。

最後に保存しておくのを忘れないように。

構成図

reaper_setting13.JPG

トラブルシューティング

保存しておいたプロジェクトを読みだしたら、MIDIやSoundデバイスが切断された

保存したときと同じUSBポートに各デバイスを接続してください。
違うポートに接続すると、新規デバイスとして扱われるため再設定となります。
これはUSB HUBを使った場合も同じで、いつも同じポートに同じ順番で繋ぐ様にしましょう。

しばらくは調子よいが、急に音が止ったり途切れたりする

IFWの音だけなら何時間吹いていても大丈夫だが、オケと同時に鳴らすと数分後に音が途切れたり止まったりする事があります。
この場合は、CPU能力が足りないか、搭載メモリーが不足しています。
特にメモリーが2GBしか無い場合に発生します。
初期のネットブック(ATOMのZ520=シングルコアのデュアルスレッド程度)と2GBのメモリーだとこの症状が発生します。
最近のWindows8タブレットもメモリーが1〜2GBの製品がほとんどなので厳しいようです。

キー(音程)が変わらなくなったりする

USB-MIDIインタフェースに安物を使うと起きやすいようです。
また、PCの能力が足りなくても起きやすいです。
MIDIデータが壊れて、壊れたデータでおかしな状態にロックされているのだと思います。
この場合はReaperを再起動するしか方法はありません。(MIDI Panicボタンがあればソレが効くかも)

EWIの電源を切ったら音が出っぱなしになって止まらなくなった

EWIの電源を切るのは一番最後にしてください。
MIDIケーブルを抜いてからEWIの電源を切れば大丈夫な事が多いですが、基本的な終了手順としては、Reaperを終了してからEWIの電源を切ります。

USB-AUDIOデバイスは必須か

VAIO TTでは内蔵サウンドデバイスをASIO4ALLで遅延無しに使えました。
これはハードウエア構成に左右されるので、内蔵で遅延無く動けばラッキーと思いましょう。
サウンドの品質的にも外付けのUSB-AUDIOは使った方が良いと思います。どうしてもPC内蔵でPCのヘッドフォン端子からアンプに繋ぐと音が痩せて聞こえます。

USBハブは使わない方が良い?

PC直結が良いです。
例えば高品質なUSB-AUDIOはUSB2.0で動作し、USB-MIDIはUSB1.1で動作しているものが多いです。
この場合、1つのUSBハブに繋ぐと遅い方にまとめられてしまうので、USB2,0の高速転送を必要とするUSB-AUDIOの速度が落ちてしまいます。
48KHzサンプリング程度であれば差はほとんどで無いと思いますが、できる限り1ポート1機器で繋いだ方が無難です。
PCにUSBポートが2つしか無く、USB-AUDIOとUSB-MIDIとマウスを繋ぎたいときは、遅いデバイスであるUSB-MIDIとマウスをUSBハブを使って分岐します。一番良いのはマウスは使わないか、Blutoothにしてしまうことです。

動かない、ファイルリストが出ない

ログイン名に日本語を使っていませんか? 海外製ソフトウエアを使うときは、PCのログイン名に日本語が含まれているとトラブルが起きやすいです。
ログイン名は「澤田」ではなく「sawada」と半角英数にします。全角がダメなのです。


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