掲示板(BBS) †
http://www.bwt.jp/cgi-bin/ft1d_bbs/light.cgi
合言葉は、yaesuはc4fmです。
外部サイト †
特徴(メーカーサイトより) †
メーカーWebサイト
http://www.yaesu.com/jp/amateur_index/product/ft1d/index.html
- 144/430MHz帯 5W出力の薄型デュアルバンドD/A(デジタル/アナログ)ハンディトランシーバー。サイズは、60W×95H×28D mm 重量 約265g *1
- プロ用デジタル通信機で使われている優れた最新のデジタル変調方式C4FM (4値FSK) FDMAを採用
- FT1Dは3つのデジタルモードと通常のアナログFMモードを選択可能です。状況や目的に合わせて思い通りに通信を楽しむことができます。
- アナログFMモードと3つのデジタル通信モードの中から自動的に相手の通信モード合わせて通信ができるAMS機能を搭載
- オプションのカメラ付きスピーカマイクMH-85A11Uを接続して簡単な操作でスナップショットを撮影、すぐに画像データを転送可能
- デジタルのメリットを活かして伝送する位置情報データによりリアルタイムナビゲーションやバックトラックを実現するスマートナビゲーション機能を搭載
- メンバーのコールサインで通信圏内または圏外を確認できるデジタルグループモニター(DIGITAL GM)機能
- 高精度・高感度GPSアンテナを本体上部に標準装備
- 雨や水しぶきなどにも十分耐える防水性(防噴流形) IPX5相当の防水設計
- 異なる2バンド/同一バンド2波同時受信対応(V+V/U+U/V+U)
- AM/FMラジオ放送などを聴きながら同時に2波のアマチュアバンドを待ち受け受信できるAF DUAL受信機能
- 1200/9600bpsのAPRS®通信に対応(情報表示、受信リスト、メッセージ伝送、SmartBeaconing™対応)
- 504kHz〜999.900MHzを連続受信可能な広帯域受信機能
- AMラジオ放送受信用バーアンテナ内蔵
- 受信を振動で知らせるバイブレータ
- フィールドで便利な白色LEDによる簡易照明機能
- 本体側面にマイクロSDカードスロットを標準装備
- 各種データ通信用のデータ端子
- パソコンの地図ソフトなどで軌跡を表示できるGPSロガー機能
価格 †
- 62,790円
- 実売価格:49,800円(2013年7月)
- 44,800円に値下げ(MicroSD+ミニアンテナ+乾電池がおまけ)
- 47,800円でヘビーデューティー仕様(Lバッテリ付)が発売
付属品構成 †
- 1100mAhリチウムイオン電池パックFNB-101LI(ベルトクリップ付属)
- バッテリーチャージャー PA-48A
- PC接続ケーブル CT-169
- USB-SERIAL変換ケーブル SCU-16
- アンテナ
対抗機種との比較(FT1Dと比較して) †
総合的に見て、FMステレオ受信・50MHz運用・ハンズフリーに優位性を感じなければ、完全にFT1D>VX8/8Gと言えそうです。
APRSを含めると、ID-31/51の選択肢は無くなります。(ICOMはAPRSをやってない)
今後、WIRES-Xがどう展開していくかが焦点でしょう。
VX8(D) †
- ○50MHz送信ができる
- ○Bluetoothが使える(オプション)
- ○FMラジオ受信はステレオ対応
- ×デジタルモードが無い
- ×WIRES-Xができない
- ×GPSがオプション
- ×マイクは専用で特殊コネクタ
VX8G †
- ○安い
- ×デジタルモードが無い
- ×AM/FMラジオが受信できない
- ×WIRES-Xができない
ID-51 †
- ×APRSができない(D-PRSは出来るがAPRSとの互換という意味では片方向通信)
- ×WIRES-Xができない
- ×私鉄MSKのギャラギャラカットが下手
- ○レピーターが普及している
- ○メーカーからメモリー編集ソフトが無償提供されている
簡単なインプレッション †
交信してみた(2013/6/13 1st QSO) †
先ほど、初めてC4FMによるQSOに成功しました。
相手(JL1USZ 東大和市)とはスケジュールQSOです。
まずはDNモード †
相手2.5Wでもエラー無しに綺麗に聞こえました。相手のSは1~2という感じ。
音質の感じとしてはデジタル簡易無線のIC-DPR3とほぼ同じ感じの音調。
コーデックも変調方式も同じなので納得です。
次にDWモード †
ECCをケチったフルレートです。
確かに音質は向上しましたが、大差は感じられません。
ちょっとだけ圧縮コーデックの特徴が薄れた感じです。
相手が2.5Wだと時折エラーして2〜3割程度音声が崩れました。5Wでは安定。
ただ、崩れ方はD-STARのケロケロよりはマイルドで聞きやすい印象です。
しかし、この程度の音質向上でしたらDNモードを使うべきですね。
DNモードでは全くエラーがありませんから、通信の優位性としてはDNイチオシです。
交信中に急に音声が聞こえなくなりました。 †
うちに設置してある特小レピーターがIDを出し始めた時でした。
S1程度の相手ですと、受信アンテナのそばで10mW出すと完全に潰されるようです。
偶然ですが、これも良い経験になりました。同じ400MHz帯なので抑圧にはめっぽう弱いみたい。
FT1DのSメーターは急に0になり、何も聞こえなくなりました。ノッチが必要かな・・・
最後に温度上昇 †
外部電源利用でバッテリーパックは外しています。
5Wで普通に交信していたところ、パワーダウンは起きませんでしたが背面は触れないほどに熱くなりました。非接触温度計で測ると60度になっていました。
これはファン吹かないとラグチューは無理ですね。モービル機の登場が待ち望まれます。
うちはバッテリーパックを外して立ててあり、背面からファンで吹くようにしています。
今回はスピーカーマイクをしまい込んでいたので手持ちでやってファンレスでした。
スピーカーマイクは必須、ファンも必須というところ。固定用のファン付き専用スタンドを作ろうと決心しました。
ローパワーでリニアを押すのも良いでしょう。リニアは持っているけどTSS通すのがすごくメンドクサイんですよね。
総括すると †
総合して音声の感じはとても自然。
D-STARよりは会話しやすく好印象でした。
良いところ †
- GPSの感度は良い(すぐに測位する)
- APRS動作は良好
- 鉄道無線(私鉄)受信時のMSK信号カットは良好
悪いところ †
- 受信待機時の発熱(本体内部のセンサーで確認)
- 電池を食う
- 特にDNモード受信待機での消費電力が大きいと感じる
- L電池を使って、APRS運用とDN受信(聞こえないが)を併用すると1往復持たない
- 4時間くらいで落ちた(町田〜筑波往復にて、帰路の途中でダウン)
- APRSの操作が煩雑
- 受信リストやメッセージを見るには、F-0-0の操作から始めないとならない
- ビーコンON/OFFはMENU(DISP長押し)→APRS→BEACON TXと深く掘らないとできない
- トラッカー(ビーコン発信器)としては問題ないが、メッセージ交換はとてもじゃないが厳しい
- APRS操作に関してはVX8Dの方がましだが、いずれにしてもKENWOODの足下にも及ばない。
- バッテリー残量ピクトは全く当てにならない
- およそ5%切ってからピクトが減り始めます。これは、グラファイト系セルを使用していながらハードカーボン系のデータを使用したからか、
高負荷時(送信時)のデータを使用したからでしょう。設計が完全に素人というかダメですね。
- 起動時の表示をDCにしておくと電池電圧が解るので、それで見るしかないです。VX8はモノバンド時に電圧表示が出せたのですが、FT1Dは出せない?
残念なところ †
- FMラジオ受信がステレオじゃない
- イヤホン専用ジャックが無い(意外に便利だった)
- Bluetoothが使えない
メモリー編集ソフトが無い(海外のアマチュアに頼っているところが残念でならない)
- メモリーバンクを使用したスキャンでは、バンク切り替えの操作がいつになっても覚えられない(判らない)
- 操作系全般ですが、UIが洗練されていなくてわかりにくいです。マニュアル必携なので、スマホにPDFを入れています。
買っておきたいオプション †
- ソフトケース CSC-97
VX8用そっくりですが、マイクの穴や電源ボタンの位置が違います。
- マイクアダプタ CT-44
2ピンの一般的なマイクが接続できます。手持ちマイクを流用する場合に。
- 急速充電クレイドル CD-41
VX8シリーズと同じです。
- 大容量バッテリーパック FNB-102LI
VX8シリーズと同じです。
買う必要のないオプション †
- カメラ付きマイク MH-85A11U
相手から送られてきた画像をその場で見られるのなら面白いのですが。
これを買うくらいなら大容量バッテリーと急速充電クレイドルをお薦めします。
いろいろ測定 †
消費電流(受信時、GPS ON、SAVE-RX OFF) †
常用しそうな組み合わせだけ測ってみました。
- モノバンド
- 200mA (DN、GPS ON)
- 175mA (DN、GPS OFF)
- 135mA (APRS、GPS-ON、MODEM-9600)
- 100mA (FM、GPS OFF)
- デュアルバンド
- AFデュアル
- 300mA (A:DN B:APRS 9k6 RADIO:FM)
- 消費電流からわかる考察
モノバンドのデジタルハンディとして使った場合、GPSを併用していると付属のS電池では5時間くらいしか待機できません。
連絡用としてたましか交信しかしなくても3時間程度でカラになりそうです。(FMの混信も考慮しなくてはなりません)
L電池でも連続受信待機時間は9時間程度ですから、やがりL電池は必至な感じです。カメラ付きマイクを買うよりも、L電池を買いましょう。
QSO目的ではもっと短い運用時間になりますから、L電池2個体制または外部電源は必須と思います。これはFT1Dに限った話ではないですが、
移動運用で局数を稼ぐような目的では外部電源が無いとどうにもなりません。発熱も心配ですが。
消費電流(外部電源 13.5V) †
- 本体OFF、バッテリー充電中
約300mA(4.1W)
- A:DN、B:APRS(共に受信待機)、バッテリー充電中
約500mA(6.8W)
発熱(雰囲気温度27℃) †
- 外部電源(13.5V使用時)
- A:DN、B:APRS(共に受信待機)、バッテリー満充電後
裏面のダイカスト部(黒い蓋の右上付近)で51℃
この位置のバッテリー表面温度(対向面)で40℃
- A:DN、B:APRS(共に受信待機)、バッテリー充電中
裏面のダイカスト部(黒い蓋の右上付近)で60℃
この位置のバッテリー表面温度(対向面)で52℃
バッテリー裏(外側)の最高表面温度は45℃
- バッテリー動作
- A:DN、B:APRS(共に受信待機)、バッテリー動作
裏面のダイカスト部(黒い蓋の右上付近)で41℃
この位置のバッテリー表面温度(対向面)で37℃
- 発熱状態からわかる考察
- 外部電源利用時は高温になるためバッテリーを劣化させる恐れがある
外部電源で使用するときはバッテリーパックを外すのを推奨
- バッテリーを本体充電をするときは電源を切っておく
本体OFFで充電クレイドルで充電するのを推奨
本体ONでデュアルバンド受信待機をしているだけで、バッテリーと接触する本体のダイカスト面は最大60度(ΔT=33℃)になります。これによりバッテリーは高温
状態で充電されることになるので、バッテリーの劣化が加速します。Li-ionは40度以下での充電が好ましいです。バッテリーパックの対向面が最大52度になっていた
事から、雰囲気温度はあと10度下げたい。このことから、雰囲気温度は17度以下であることが要求されます。ギリギリで20度でしょう。
以上のことから、通常の条件下では、本体を動作させながらバッテリーを充電する
事は避けるのが無難です。
その他 †
- DNモードでの呼び出し周波数が決まっていない
- ICOMのD-STARと同じく433.30でいいのか?
デジタル音声モードでの呼び出し(CQ)は、法的に433.00や145.00で出来ません。
ICOM D-STARユーザーらが慣例的に433.30を使い出していますが、これを法的(バンドプラン)にデジタル音声の呼び出し周波数に制定しようという動きがあります。
- DNモードでの交信相手が居ない
CQ応答無し
受信も成功していない
- メイン周波数でFMモードでCQをだし、QSY後にDNで再度CQを出すと応答率が良い
例「CQ C4FM 八重洲デジタル。こちらはJQ1BWT、次回433.30 C4FMでコールします。お聞きの局ありましたら交信願います。」
- スピーカーマイク
- VX3と同じで4極L型が適合する
- VX7の4極ストレートネジ式も使える
アルインコのDJ-X7用のマイクも使えた。
- オートモードはスケルチ感度が落ちる
- FMを受信したとき、FMモード固定ならSメーターが振れるかどうかの弱い信号でもスケルチは開きますが、オートモードではS1ではスケルチが開かないです。
確認している不具合 †
外部電源瞬断(メーカー見解:仕様) †
- バッテリー使用時に外部電源を活線状態で接続すると、周波数変更や設定変更が保存されず元に戻る
- 本体の電源ボタンで電源OFFしてやれば、確実に設定等を覚えてくれる
バッテリーピクト(メーカー見解:仕様) †
端子電圧5.0Vを境に、Li-ionモードと乾電池モードが切り替わります。
また、グラファイト系Li-ionの電圧:容量特性から求めた残容量を合わせて書くとこうなります。(□□□□は点滅です)
※セル定格3.7V(2Sで7.4V)からグラファイト系高容量LIBを採用していると判断。
- ■■■■ 7.2V以上 5%〜100%(50%以上)
- ■■■□ 6.8V以上 5%以下(38%以上)
- ■■□□ 6.6V以上 5%以下(32%以上)
- ■□□□ 6.2V以上 5%以下(15%以上)
- □□□□ 6.2V以下 5%以下(15%以下)
※()内はハードカーボン系だったとした時の残量
全く当てにならないことが判明しました。
ちなみに、グラファイト系Li-ionの低負荷時放電特性のリストは次の通り。
- 8.40V 100%
- 8.12V 90%
- 8.04V 80%
- 7.98V 70%
- 7.92V 60%
- 7.84V 50%
- 7.78V 40%
- 7.68V 30%
- 7.58V 20%
- 7.46V 10%
- 6.00V 0%
電圧変化が小さくほとんどフラットなのがグラファイト系の特徴です。
これは、電圧から電池残量を逆算するのが難しいことを示しています。
これに対応するために、カムコーダー等ではインテリバッテリー(クーロンカウンターにより残量を積算電力計で算出する)を採用しています。
TONE ENCまたはTONE SQ使用中にDTMFを送信するとモニター音がおかしい(メーカー見解:不良) †
例えばWiRESノードをアクセスするときになります。
TONEをセットしてコマンドをDTMFで送信すると、相手にはちゃんと届きますが自分のモニター音(ピポパ)がグジュグジュになります。
実用上は問題出ませんが美しく無いし気持ち悪いです。
※修理に出したら治してもらえたという報告があります
APRS MUTEをONにしていても効かない(メーカー見解:仕様) †
AバンドをFMまたはDN、BバンドをAPRSにしているとき、APRS MUTEをONにしておけばBバンドのパケット音(ピギャーやサー)は聞こえないはずです。しかし、たまにピギャーが聞こえます。
BバンドのVOLを0にしていれば聞こえませんが、これではAPRS MUTEの意味がありません。
RAID IDが空白の初期ロットがある(メーカー見解:不良) †
うちの黒は問題なかったです。
一部のロットで、RADIO ID(生産時に書き込まれるランダムな英数5桁)がブランクの個体があるようです。ここがブランクだとGMモードでの運用に支障があるようです。
不具合(私が不具合と思っている)に対するメーカーの見解 †
DTMF送信時のモニター音がおかしい(TONE併用時のみ) †
GND改修(異常なので修理対応)
バッテリーピクト †
仕様(送信時の高負荷時に表示を合わせているため)
AMS時にFMのSQL感度が悪くなる †
仕様
特小からの感度抑圧 †
仕様(実力)
APRS MUTEが効かないことがある †
仕様(弱い信号やパケットがエラーすると漏れる)
発熱と消費電流 †
仕様(長時間使用時はバッテリーを外す事をメーカーも推奨)
Tips(便利メモ) †
マイクゲインはむやみに上げない †
FMと比較して変調が浅い(声が小さい)と感じます。しかし、だからといって送信側のマイクゲインを高くして変調を深くすると相手に伝わる音声が崩れて聞きにくくなります。
デジタルはS/Nが良いので、受信側で音量ボリュームを上げて使うようにすると良いです。むやみにマイクゲインを上げるのはやめましょう。実験で確かめました。
FT1Dは受信時の音量バランスがFMとデジタルでフィーリングが悪い設計です。デジタルの時はボリュームを上げて使うというのを基本に運用しましょう。
固定でのラグチューには向かない †
発熱がすごいので、ちょっと長めに送信するとヒートプロテクトが働いてパワーダウンします。移動運用のような短時間送信が基本です。
ラグチューするときはバッテリーパックを外して、背面からファンで空冷してやる必要があります。スマホのホルダーを旨く使って作りました。
充電時は電源OFFに †
バッテリーが満タンでない状態で、外部電源を接続しているとバッテリーは充電されます。この時の発熱がすごいので、バッテリーを痛める原因にもなります。
よって、バッテリーを充電する時は本体電源OFFで、さらに急速充電スタンドを使うのがお勧めです。
急速充電スタンドで充電しながら使うのは絶対に避けるべきです。バッテリーの劣化を加速します。
デュアルワッチのススメ †
デジタルモード固定で運用していると、FMからの割り込みに気がつきません。
そのためのAMSなのですが、一度FM受信すると直後の送信もFMになってしまいます。
使ってみればわかりますが、これが結構不便です。よって、DN固定にしたい。
しかし、混信の申告等にはスマートに対応したいものです。
FT1Dはデュアルワッチが出来るので、VFO-AをDN固定にして433.30MHz、VFO-BをFMで433.00MHzにしています。
BでFMにてCQを出して、すぐさまAにワンプッシュで切り替えて運用しています。
また、デジタルで交信が始まったらBをAと同じ周波数にして、FMモードでのワッチを同時にしています。
ワンプッシュで切り替えできるのでとってもスマートです。ぜひお試しあれ。